警備業とは?

│ 警備の仕事って? │

警備業がその存在を広く認識される契機になったのは、東京オリンピック(1964年)の選手村の警備で、その後、高度経済成長期における企業の合理化と雇用の拡大を背景に急速に発展しました。

今日、警備業者は1万社を超え、警備員約59万人を擁する大きな産業となっています。

その業務内容は、施設警備や雑踏・交通誘導警備、運搬警備、身辺警備等様々で、警備業は人々の生活のあらゆる場面で安全を守る生活安全産業として定着しています。加えて、テロ対策としての警備業務、空港や原子力発電所などの重要な施設の警備業務には、専門的知識・能力を有する警備員が求められており、警備業務は質的にも高度化しています。

また、(一社)全国警備業協会では2011年に警察庁との間で「災害時における緊急支援活動に関する覚書」を締結し、大規模災害発生時に警備業界が迅速かつ効果的に災害支援活動を実施できるよう「全警協災害支援隊」を発足させ、体制の整備・強化に継続的に取り組んでいます。

刻一刻と変化する国内・国際情勢の中で、人々の安全・安心への関心はさらに高まってきています。
警備業の果たす役割はますます重要になると考えています。

わたしたちの身近にあるリスクわたしたちの身近にあるリスク
  • 交通事故
  • 帰宅難民
  • 災害
  • テロ
  • 暴漢
  • 泥棒
  • 特殊詐欺
  • 群集事故(将棋倒しなど)
  • 火災
  • 心室細動
  • 情報漏洩
  • 子どもの
    誘拐
  • ストーカー
  • 設備不良(エレベーター
    閉じ込め等)

日常生活にある、
さまざまな不安と向き合い、

必要な対応をするのが
「警備のしごと」です。

ミッションは「まもる」

ミッションは「まもる」

「警備のしごと」とは、不意の事態に備え、人の生命、身体、財産などをまもること。

①事故や犯罪が、できるだけ起きないように働きかける
②起きてしまったときには、被害の拡大を防ぐ
①と②をあわせて「まもる」。

そのため、さまざまなリスクを想定し、普段から準備しておく。「まもる」という警備のしごとは、実は、予測やリスク分析といった「攻め」の姿勢が重要となります。

やりがいのあるしごと

やりがいのあるしごとやりがいのあるしごと

警備業は、【安全・安心】をつくり出す「生活安全産業」として、顧客や地域社会の身近にあるリスクを摘み取ることに役立っています。あたりまえに感じる平穏な日常、【安全】を保つために、日夜、警備会社や警備員たちが努力しています。

そんな警備の現場は、生命・身体・財産のピンチに際して、時には「本当に助かった。ありがとう。」という感謝の言葉がもらえるなど、人や社会への貢献を実感できるところです。また、まもる領域が広いときなどは、チームで力を合わせてまもります。

国際的なイベント、会議など世の中が注目する舞台をはじめ、お祭りや花火大会など地域に密着した催しに至るまでさまざまなところで、担当領域をまもり支えていく。司令塔の指示に従い、それぞれが補完し合いながら組織としてミッションを成し遂げる、大きな達成感につながります。

│ 警備業務の種類って? │

警備員のお仕事は大きく4つに分類されます。それぞれの業務の特徴をご紹介します。

  • 1号業務施設警備

    施設警備

    大きな企業や百貨店、病院などの施設の中での警備をします。施設の中を見回り、不審者や危険物がないかをチェックしたり、施設の入り口で出入りする人や車の管理を行ったり、防犯カメラの映像を監視するお仕事です。

    施設警備業務 / 巡回警備業務 / 保安警備業務
    空港保安警備業務 / 機械警備業務

  • 2号業務雑踏・交通誘導警備

    雑踏・交通誘導警備

    道路工事や土木工事、お祭りやライブイベントなどの現場で交通誘導や雑踏整理を行い、通行人や車両による事故やトラブルが起きるのを防ぐお仕事です。

    交通誘導警備業務 / 雑踏警備業務

  • 3号業務運搬警備

    運搬警備

    現金、貴金属、美術品などを運んでいる際の盗難や事故を防ぐお仕事です。対象物を目的地まで安全に輸送し、契約先に引き渡すお仕事です。

    貴重品運搬警備業務 /
    核燃料物質等危険物運搬警備業務

  • 4号業務身辺警備

    身辺警備

    一般的に「ボディーガード」と言われているお仕事で、政財界の要人や芸能人といった有名な人から一般市民まで、契約者の身体の安全を守るお仕事です。

    身辺警備業務

│ まちの身近な警備って? │

施設警備

施設警備

住宅、事務所、工場、オフィスビル、商業施設、医療施設、
公共施設、空港など(施設警備業務)

防犯・防災のための様々な活動を行います。建物の出入管理、巡回、開閉館管理、鍵の管理、建物内部の各種モニタリング、防災センター業務など、プロの視点を持つ警備員が行っています。必要に応じてエックス線透視検査装置や金属探知機等の専門資機材を用い、犯罪行為などを防止します。

施設警備

機械警備

機械警備

住宅、事務所、工場、ショッピングセンター、美術館など(機械警備業務)

対象施設にカメラやセンサーを設置し、警備会社の集中監視センターで、侵入・火災等の発生を監視し、また、顧客の非常事態や救急を必要とする通報を受け取ります。異常があると、警備員が直ちに駆け付けて対処します。核家族化や高齢化を背景に、家庭における防犯、防災、救急などの観点から、ホームセキュリティ(個人宅向け機械警備)のニーズが拡大しています。

機械警備

交通誘導警備・雑踏警備

交通誘導警備・雑踏警備

道路工事現場、建築工事現場、駐車場など(交通誘導警備業務)

道路工事や建築工事の現場は、車線減少、片側交互通行や作業車両の出入りなど、車や人の事故等のリスクが高まる場所です。買い物やレジャーで出かけた先の駐車場では、接触事故なども発生しやすいのです。そんな様々なシチュエーションで、警備員がプロの視点から適切に誘導し、生命、身体に関わる重大な交通事故を防止し、地域社会の安全に貢献しています。また、安全だけでなく、通勤通学の途上に気持ちの良い声掛けや、下校や帰宅をみまもることで、誰かを、少しでも元気づけ、安心感を与えていきたいと考えています。

交通誘導警備・雑踏警備
交通誘導警備・雑踏警備

花火大会、マラソン大会、コンサート、
スタジアムでのスポーツ観戦など(雑踏警備業務)

全国各地で催されるイベントが対象です。不特定多数の人々で混雑すると、事故等のリスクが高まります。参集する人々の流量や動きを予測しながら、事前に綿密な警備の計画をたてます。来客数、キャパシティ、集中する時間帯、動線の隘路(あいろ)や高低差、天候などを多角的に分析し、主催者・実行委員会や関係機関と打ち合わせを行い準備する。本番では、情報提供、規制、広報、案内、誘導など状況に応じて対策を講じることで、イベントの安全な成功に貢献します。

交通誘導警備・雑踏警備

貴重品運搬警備

貴重品運搬警備

銀行、コンビニATM、小売店間の現金輸送、美術品の輸送など
(貴重品運搬警備業務)

現金、貴金属、美術品等の貴重品を運搬する際に、盗難等の事故を警戒、防止する業務です。依頼者の貴重な財産を安全に目的地まで送り届けるよう、常に隙のない堅固な警備が行われています。また、売上金回収、釣り銭準備など安全かつ効率的な資金管理は、経済活動に寄与し、日本経済を陰で支えています。何気なくコンビニエンスストアのATMで入出金する便利さの裏には、日夜、現金を輸送・管理している警備員がいます。また、海外の美術館から貴重な絵画や彫刻などを預かり、国内での展示を実現するシーンでも、警備員が活躍しています。

貴重品運搬警備

身辺警備

身辺警備

人・・・VIP、子ども、女性、高齢者など(身辺警備業務)

「ボディガード」とも呼ばれる業務で、人の身体に対する危害を警戒、防止します。政財界の要人、芸能人、スポーツ選手などの著名人だけでなく、ストーカー犯罪対策など、広く一般市民のニーズにも応じたサービスを行っています。また、GPS搭載の携帯端末を所持した子どもや女性、高齢者などの外出時を見まもるというサービスがあります。「子どもの帰宅が遅いので心配」、「人気がない暗い夜道が怖い」、「持病があるので外出が不安」などのシーンを見まもり、いざという時に警備員が対応しています。

身辺警備

│ 警備業務の国家資格って? │

警備業務についての知識と技能があることを認める国家資格は全部で6種類あります。
それぞれ2級と1級があり、1級を取得するとできるお仕事のレベルが上がります。

  • 施設警備業務

    施設警備業務

  • 交通誘導 / 警備業務

    交通誘導 / 警備業務

  • 雑踏警備業務

    雑踏警備業務

  • 貴重品運搬警備業務

    貴重品運搬警備業務

  • 核燃料物質等危険物 運搬警備業務

    核燃料物質等危険物
    運搬警備業務

  • 空港保安警備業務

    空港保安警備業務

│ 警備業者の条件って? │

「確かな安全」は、「警備業法という確かな仕組み」で確立されています。

(1)都道府県公安委員会による認定制度

警備業の要件を満たし、都道府県公安委員会が認定した者だけが警備業を営むことができます。

(2)警備員の制限

18歳未満などの警備業法で定められている要件を満たしていない場合は、警備員になることができません。

(3)警備業務実施の基本原則

警備業務実施の基本原則として、他人の権利や自由を侵害し又は、個人若しくは団体の正当な活動に干渉することはできません。

(4)服装及び護身用具

服装及び護身用具について制限を定めています。
現在、携帯することができる護身用具には、警戒棒、警戒じょう、刺股、非金属製の楯などがあります。

(5)検定合格警備員の配置義務

警備業務の中でも、その実施に専門的知識及び能力を必要とし、かつ、事故が発生した場合には不特定又は多数の者の生命、身体、財産に危険を生ずるおそれのある特定の種別の警備業務については、一定の基準で検定合格証明書の交付を受けている警備員が行うこととされています。

(6)警備業務の依頼者に対する書面交付義務

警備業務を行う契約を締結しようとするときは、その契約の概要を記載した書面を警備業務の依頼者に交付するほか、契約を締結したときは、警備業務の依頼者に対し、契約内容を明らかにした書面を交付することとされています。

(7)警備員教育等

警備業者は、所属する警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため教育及び指導、監督を行うことが義務付けられています。