警備員の仕事

│ 働く人の声 │

警備員に転職し、それぞれの持ち場で、それぞれの思いを胸に仕事と向き合う4名からお話をお聞きしました。
転職のきっかけ、仕事のこと、キャリアのことなどぜひ参考にしてください。

転職にめぐりあい、充実の毎日を過ごす施設警備 Kさん(30代)

01INTERVIEW

天職にめぐりあい、
充実の毎日を過ごす
施設警備Kさん(30代)

人に寄り添う警備。

どうして警備のお仕事に?今のお仕事の内容は?

前に勤めていた職場に馴染めないことで悩んでいた頃、求人を見て楽しそうな仕事だと感じたのが施設警備のお仕事でした。警備の仕事といっても、人と触れ合う機会が多いこと、女性でも活躍できそうな仕事であることがとても魅力的に思え、転職することを決めました。現在私が担当するのは、大型商業施設の警備兼アテンダーです。施設内を巡回しながらお客さまのお困りごとに対応することが主な仕事ですが、お客さまへの救急対応やテナントスタッフの方からの要望に合わせた警備を行ったり、納入業者の方を施設内の目的地に誘導するなど、施設を訪れるさまざまな方をサポートする役割も担っています。

このお仕事の魅力は?やりがいを感じるのはどんな時?

このお仕事の魅力は?
やりがいを感じるのはどんな時?

この仕事を始めて3年目になりますが、もう定年までずっとこの仕事を続けていたいと本気で考えるほど、今は楽しくて充実していますね。「警備=女性には大変」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、施設警備は間違いなく女性でも活躍できる仕事。例えば、施設内には女性しか立ち入りできない場所もあります。そういった場所の巡回は私だからこそできる仕事ですし、自分の存在が必要とされていると実感できる瞬間です。そして、人との触れ合いが多いのも魅力だと思います。お客さまに道を尋ねられる時も、迷子のお子さんをお預かりする時も、困っている誰かのために役立っている。そう思える仕事だから、やりがいも大きいですね。

ここまでのキャリアステップ

前職は医療事務 警備会社に転職
100人もの部下をまとめる隊長として活躍空港保安警備Nさん(40代)

02INTERVIEW

100人もの部下を
まとめる隊長として活躍
空港保安警備Nさん(40代)

見逃さない警備で、
フライトに安心を。

どうして警備のお仕事に?今のお仕事の内容は?

前職はカード会社に勤める、いわゆるOLでした。管理職となり、その後本社への異動を打診されましたが、地元を離れたくなかったことが理由で転職を決意。仕事柄、空港を利用する機会が多かったこと、また母からも空港で働くことを勧められたので空港保安警備の仕事へ。現在は羽田空港第二ターミナルの検査場の隊長として、検査場の管理や警備員の教育を行なっています。もともと仕事を通して成長したいという想いが強かったので、さまざまな資格を取得できるこの仕事は私向きだったと思います。入社後は、空港保安警備業務検定2級を取得し、その後も1級、警備員指導教育責任者(1号)を取得。現在は責任ある立場を任されるまでになりました。

このお仕事の魅力は?やりがいを感じるのはどんな時?

このお仕事の魅力は?
やりがいを感じるのはどんな時?

この仕事の魅力は、女性でもやりがいを感じ、活躍できることです。検査場という場所でチームで連携しながら警備するこの仕事は、女性でも十分に能力を発揮できます。また、勤務時間内には休憩が2、3時間ごとにあり、4勤1休という勤務形態も女性のみならず高齢の方でも働きやすい環境だと思います。常々思うことは、私たちは空の旅の最後の砦。空を見上げ、飛行機が飛んでいるのを見ると、私たちがその安全を守っているんだと感じることがあります。以前、警察官の方から「民間の企業の方がテロやハイジャックを未然に防いでいることは本当に凄いと思います」と言われた時は、とても誇らしく思いましたね。

ここまでのキャリアステップ

前職は金融業 警備会社に転職 空港保安 警備業務検定 1級取得 警備員指導 教育責任者 (1号)取得
働きぶりが評価され、指名されるほどの人気に交通誘導警備Hさん(40代)

03INTERVIEW

働きぶりが評価され、
指名されるほどの人気に
交通誘導警備Hさん(40代)

実直な働きで、
感謝される警備。

どうして警備のお仕事に?今のお仕事の内容は?

以前はネット関係の仕事をしていたんですが、勤務時間が長く大変だったので転職することにしました。警備の仕事を選んだ理由は、自分でもやれそうなイメージを持てたこと。普段から働いている姿を目にすることが多かったので、抵抗はありませんでした。交通誘導の仕事で大切なのは、現場で働く人や周辺を往来する方たちの安全を守ることです。大きな建築現場などでは、働く人の数や車両の種類も多く、さまざまなことに気を配らなければなりません。入社後、資格を取得したことで任される現場の規模も大きくなり、半年後には隊長を任されることに。現場の警備責任者という立場ですから、警備員への指示はもちろん、現場監督とのミーティングや警備の改善点などの提案も行なっています。

このお仕事の魅力は?やりがいを感じるのはどんな時?

このお仕事の魅力は?
やりがいを感じるのはどんな時?

仕事をする場所は建築現場や工事現場が多いので、正直大変なこともあります。特に夏場や冬場はやはり辛いなと思うこともありますね。でも「次の現場もお願いしたいから」と声をかけてもらうことも多く、頼りにされていると思うとそれがモチベーションになります。また、仕事中に通行する方から挨拶されたり、工事車両からの「ご苦労さん」というクラクションを聞くと、やっぱり嬉しいですし、励みになりますね。それに、休みの日が決まっていることや勤務時間が基本的には一定であることも魅力だと思います。年配の方も多く働く仕事なのは、そうした働き続けられる勤務形態が大きいんじゃないでしょうか。

ここまでのキャリアステップ

前職は通信業 警備会社に転職 交通誘導警備 業務2級取得 雑踏警備業務 2級取得
10年以上のキャリアで  警備をマネジメント 貴重品運搬警備 Tさん(40代)

04INTERVIEW

10年以上のキャリアで
警備をマネジメント
貴重品運搬警備Tさん(40代)

無事に届ける、
に全力を尽くす。

どうして警備のお仕事に?今のお仕事の内容は?

私が就職活動をしていた時期は「就職氷河期」と呼ばれ、大卒でもなかなか希望の仕事に就けない状況でした。私もやりたい仕事を探しながらアルバイトを転々としていましたが、そんな状況で見つけたのが警備という仕事。公務員、特に警察官に憧れを抱いていた私にとっては、警備の仕事、中でも貴重品運搬警備はそれに近いイメージでした。警備会社に入社してからは、現金輸送の乗務員を経て、現在は司令として貴重品運搬警備全体を管理・サポートする立場で業務を行なっています。運搬に滞りがないか、お客さまから要望などは出てないか、といったことを逐一チェックし、状況に応じて指示を出すことが主な仕事になります。

このお仕事の魅力は?やりがいを感じるのはどんな時?

このお仕事の魅力は?
やりがいを感じるのはどんな時?

ここ数年、社会の動きとして「キャッシュレス化」が進んでいますが、とはいえ、まだまだこの国は現金を必要とする場面が多く、今後も私たちの仕事へのニーズはあると思います。例えば、企業から金融機関への現金輸送という仕事ひとつにしても、この国の経済を動かすための一役を担っているという自負があります。そうした意味では責任ある仕事ではありますが、反面、それが大きなやりがいともなります。また、警備会社には現場の仕事の他にも管制室での管理業務など、さまざまな役割や役職があります。資格も会社負担で取得できる環境にあるので、向上心があれば自身のキャリアを高めていくことができるのも魅力のひとつだと思います。

ここまでのキャリアステップ

大学卒業後は アルバイト 警備会社に転職 貴重品運搬 警備業務 2級取得 入社10年で 司令に就任

│ 警備の今 │

世の中の安全に対する意識の高まりから、警備ニーズは年々右肩上がりの状況です。しかし、 「警備=キツイ」というイメージを持たれることもあり、業界全体としてまだまだ人手不足で供給が追いついてない状態です。より多くの方に警備員という仕事を志望していただけるよう、これまでも協会として働きやすい魅力ある職場環境づくりに向けて取り組んできました。今回、新たな取り組みとして筑波大学発研究活用企業の田中名誉教授にご協力いただき、働き方改革に関する実証実験を行いました。実験において、従来の警備員の働き方をアップデートしていくべきである、という示唆ともとれる結果が見受けられました。これを機に、一人ひとりの現場の警備員のみなさんが働きやすい労働環境整備を進めていきたいと思っています。

実証実験ムービー

取り組みの概要・実験結果

実験の詳細情報はこちらをご覧下さい

実験①

空冷グッズ活用

熱中症リスクと共に身体的負担が軽減され、運動能力が向上。
警備員のパフォーマンス向上に有用である。

実験②

座哨の組み入れ

身体的負担と精神的ストレスを軽減し、運動能力が向上。
警備員のパフォーマンス向上に有用である。

実験③

マスク着用

マスク着用により酸素吸入量は減るものの、身体影響は限定的で、
しっかりと感染対策を行って警備することが重要。

  • 熱中症対策

    熱中症対策

    アイスハーネスやネッククーラーなどの空冷グッズの活用推奨により、夏場でも快適に業務にあたれるよう取り組んでいます。

  • その他、様々な分野で
    働き方の改善を行っています。

  • コロナ対策

    コロナ対策

    マスクとフェイスシールドの併用など、感染予防対策のガイドライン策定により、安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。

  • ライフワークバランスの向上

    ライフワークバランスの向上

    個々人の状況・特性に応じて、労働時間や日数を調整・管理することで、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

  • 心のケア

    心のケア

    組織でのクレームへの対応や、細やかなメンタルヘルスケアを通じて、心身ともに安心・安全に働ける環境づくりに取り組んでいます。

  • 給与・処遇の改善

    給与・処遇の改善

    適正料金を確保することにより、昇給制度や資格取得を充実させるなどして、給与・処遇改善に取り組んでいます。

関係者によるコメント

筑波大学名誉教授株式会社THF筑波大学発研究成果活用企業代表取締役社長 田中 喜代次教授

筑波大学名誉教授
株式会社THF筑波大学発研究成果活用企業
代表取締役社長

田中 喜代次 教授

私の研究のメインテーマは健康増進学です。人生100年時代といわれる中で、高齢化が進む日本においては特に、歳をとっても長く働き続けられるような労働環境の整備がとても重要だと感じていました。今回の実験では、実際の勤務時間よりも短い時間であったのに、熱中症対策のための空冷グッズの活用や、“座る”警備の組み入れなどが、警備のパフォーマンスを高めるために有用であるという示唆が得られました。学術的な立場から評価すると、従来の警備のあり方では身体的に負担が大きいのは明らかです。今後、実際の警備現場において、こうした新しいスタイルが取り入れられていくことを望みます。なお、「警備=立つ仕事」という世の中のイメージが強いのも確かです。この実験を機に、警備業界全体で働き方が変わっていくことを願うと同時に、警備の新しい働き方が世の中にも受け入れられるよう、後押ししていきたいと思っています。